変形性膝関節症の原因は筋力低下、加齢、肥満などがきっかけで、関節の機能が低下し、膝関節の中で、クッションの役割をしている軟骨や半月板に過剰に負荷がかかり、痛みを起こす疾患です。
● 軟骨は擦り減っても痛みを感じない?
変形性膝関節症と整形外科で診断された方は、お医者さんに「軟骨(なんこつ)が擦り減っているのが原因」「老人性の膝痛です」「老化が原因」などと言われている方が多いのではないでしょうか?

老化で軟骨(なんこつ)が擦り減る…しかし、これだけでは膝痛になることはありません。軟骨には痛覚(痛みを感じる神経)がありません。ではなぜ膝痛を感じるのか?軟骨が擦り減る時に、擦り減った軟骨の細かい粒子が、関節の中にちらばります。
関節を包んでいる関節包の内側の膜を滑膜と言い、痛覚(痛みを感じる神経)を多く含んだ過敏な膜があります。擦り減った軟骨の粒子が滑膜にぶつかると、滑膜で炎症反応が起き、膝が腫れて熱を持ち、膝痛を感じるようになってきます。変形性膝関節の痛みは、関節の内側の膜の炎症の痛みなのです。
立ったり座ったり、膝を動かし始める時に膝が痛む(初動痛)
→ある程度動いた後や入浴時は痛みが軽減する
坂道や階段を登り降りする時にひざが痛む
→上りの時より下りの方が痛み、関節がはれる
膝の動きに制限や違和感がある
→関節がこわばって動きが悪い
→ひざが一定以上に曲がらない、伸ばせない
膝痛があると、膝を使った運動をすることが減り、筋力が低下してきます。
弱った筋肉で体重を支える事になるので、膝周りの筋肉にかかる体重の負荷は、過剰になり、筋肉の牽引痛(関節を衝突させまいと引っ張る力)により、さらに膝痛が悪化状態になります。
以上のことから、膝痛の根本治療を考えるなら、
①膝の関節包の炎症をとること。
②痛みがおさまってきたら足の筋力アップをはかり、膝への負担を軽減する。
上記のことを早期に行えば、変形性膝関節症の膝痛は悪化せずに治すことができます。
鍼灸治療は滑膜の炎症を取り除くのに最も適している治療法です。筋肉の牽引痛に対しても即効性があります。鍼灸治療を行った結果、膝関節の滑膜の炎症がおさまり、筋肉の牽引痛が弛緩し、膝の痛みがとれます。鍼灸治療は変形性膝関節症の治療に一番適しています。
私が勤めていた整形外科で変形性膝関節症と診断された方を何人も治療してきましたが、その中には、この膝痛は変形性膝関節症が原因ではないのでは?と思わせる患者様もいました。
上記でも書いたように、膝に痛みのない方でも、ある程度の年齢を過ぎると、X線の画像診断では、異常がみられると言われています。ですから、膝痛の原因が変形性膝関節症でなくても、X線の画像から変形性膝関節症であると診断されることがあります。変形性膝関節症の治療は、一度では治りませんが、変形性膝関節症と診断されながらも、膝痛の原因が鵞足炎だった方は、だいたい一回の治療で治療してしまいます。変形性膝関節症と診断されながらも実は鵞足炎だったという方は比較的多くみられます。
まずは、一度治療にいらしてください。あなたの膝痛は一回の治療で治癒してしまう可能性もあります。